ザ★カインズの旅行手記 (4)

2002.8.26

和賀英樹

 

   〜前回のあらすじ〜

   やっとの思いで脱出した「マジョルカノソロ星」を後に、小ねずみのヤス艦

長率いる宇宙船「ジョリー号」は、途中で隊員サマルマの反乱等幾つかの危

機を乗り越え、次ぎの目的地「トンキーヤオドラ星」に向かう為、次世代ワ

ープ手法モミーチン・ベーベーを試みるが失敗。ヤス艦長の大号令にて初め

て試す超世代ワープ手法アッキーオーチャー・ズーケが見事リード3番にア

ンブシャした直後、リガチャーを破損してしまった。しかしそこには最強の

敵、イークマー団総統トークマーの影が!

              なんだこりゃ・・・

 

 次の目的地である保田までの運転手の事で河野さんと村山が言い争っていた。助手席の私にとっては別にどちらでも良いのだが、

 「ゴルフで汗をかいたのでビールはもう抜けました」

と、村山。たしかにさっきのビール以上に汗をかいていたのは事実だ。だけどこれを言われた河野さんが一言も発せず身を引いたのも事実だ。この2人の関係はよく分らない。結局運転手は村山と相成り、いざ保田の「番屋」に向けて出発。予定では1時間で到着する。

 時間が無いのでとばしてくれと村山にお願いし、館山自動車道を南下。以前この手記のbPでちらっとふれたが、こういう時に村山は頼りになる。とばしてと言ったら本当にとばしてくれる。こういう無理も引き受けてくれるとは私にはまねが出来ない事だ。ってオイオイ!いくらまわりに車がいないからってそれとばし過ぎだろう。後ろに座っている矢ヶ崎君なんか、速度の圧迫感にエクスタシーを感じ始めているじゃないか。

 アッという間に高速道を抜けて一般道へ。R127にさしかかる時に機械的な塊を発見!ヤバイ、渋滞している。初めての場所なのでどんだけかかるか見当がつかないし、いくらナビがあるからといって迂回路を進むのは命取りになりかねない。ここは黙って渋滞の中に入るしかないか。だけど保田まではまだ距離がある。だけど時間は無い。不安というより危機感を覚えてきた。後ろにいる人たち(運転手村山助手席私以外)も最初は賑やかにしていたが、時間が進むにつれて徐々に静かになってきた。やはり皆も危機を感じているのだろう。ついに声も聞こえなくなってしまったので後ろを見ると、何だ!皆寝てるじゃないか!緊張感ベリーナッシング。

 

 途中富津館山自動車道路を経由して、やっと番屋に到着した。予定ならもうじきここを出なくてはいけない時間だが、せっかく来たので寄っていく事にした。

「番屋」は海の家みたいな町の大食堂みたいな感じの建物で、海が目の前とあって磯料理の店だ。ここは貴日さんのお勧めの店で、千葉に旅行するなら行こうといっていた場所。そういえば私はドイツ村であんまり食べていなかったのでお腹も空いてきた。よし!一杯食うぞと思ったが時間が無い。この店を知っている貴日さんがササットお勧めのメニューをオーダーする。その時なんとなくメニューを見ていた私はどうしても「さざえの壷焼」が食べたくなりオーダーをしてしまった。何で「さざえ」か?たぶんドイツ村でサザエさんハウスを見たからかも知れない。私の我儘をメンバーの皆様へ、この場をお借りしてお詫び申し上げます。ついでに一人で冷酒も美味しく頂きました。割勘で申し訳ございません。しかも2本も。

 ちなみにオーダーしたものは、

     鯵のたたき

     鯵の刺身

     鯵のなめろう

     さざえの壷焼

     いかの塩辛

     あさりの味噌汁(人数分)

     ご飯(矢ヶ崎君)

     冷酒×2(1人分)

 なかば鯵ずくしみたいだが「鯵のなめろう」は地元の漁師料理らしく、この中の料理の中では一番の人気だ。たしかに美味しく酒もすすむ。だけど塩辛大好きの常見さんは黙々と「いかの塩辛」を食べていた。そんな常見さんを見て、色白な顔といかの身の白さを見合わせてしまった。

 

 さて恒例の、その時カインズは何をしていたかのコーナーだ。

  貴日・・・自分が勧めた店もあって、料理の事等トーク爆裂

  常見・・・前記のとおり、いかの塩辛三昧

  河野・・・印象に無いが、一人黙々と食べていた・・気がする

  矢ヶ崎・・ご飯をバクツク。そろそろお腹の張り具合も適齢期

  村山・・・私の「さざえの壷焼」を奪う。ドイツ村の涙とどっちが苦いか

  和賀・・・冷酒で乾杯!だけど飲んでいるのは一人だけ

 


 ウーン!酒も肴も美味い!出来ることならここでいつまでも飲んでいたかったがやはり時間が無い。結局この場所を20分でさよならと相成ったが、お店の人から見れば怒涛の如く押し入り、嵐の様に去っていった我々を見てこう思っただろう、

 「あれが噂のザ★カインズ・・かっ・・・」

ンな分けないか。だけど未練が残る事になった。次回来るときは時間にゆとりを持って来るようにしよう。

 

 

 ここからフェリーの船着場までは河野さんが運転手だ。よほど運転したかったのか表情に笑みが浮かぶ。でも10分もたたない内に金谷の船着場に到着。乗船手続きをしてしまえばこっちのもの、旅行係の私と村山は急いで受付へと向かう。これで受付締め切りになったら今までの努力は無駄になってしまうし、車を返せなくなる。18:10の便に乗らないと横須賀にあるレンタカー屋が閉まってしまい延長料金を取られてしまうのだ。急げ!村山、急げ!私。

車から受付までの約30秒間、私は今日一日の事を思い出していた。最初から予定が狂って時間がオシてしまった「海ほたる」。今思えばホンノ序の口でしかなかった。期待した以上に盛り上がった「東京ドイツ村」。煙立ち上がるバーベキューは塩コショウも舞っていた。企画段階ではブーイングが出るかと思っていたパターゴルフは皆、楽しそうにプレーしていて本当にやって良かったと思う。それの代償としてあまり時間が取れなかった「番屋」。今度は絶対に時間のある時に行こう。等等色々な思い出を背に受付に到着。

 「6時10分ですけれど」

 「はい。それでは車検証を」

良かった間に合った!フウーッと胸をなでおろす。これでレンタカーの延長料金を払わずに済む。緊張感からの開放感からか、何故か売店でキャラメルを購入し皆に振舞ってしまった。時間になって車は船内へと誘導され、我々は客室へ向かう。途中私はトイレに行き、戻ってくるとそこには誰もいなくなっていた。村八分かと思ったがそんなことは無い。どうやら個々バラバラで自分の好きな所へ行ってしまったらしい。マーいいかと私は自販機でビールを購入し、「いわし天」といういわしのさつま揚げをつまみに船内をしばらく徘徊。やはり船に乗ったなら甲板に出ようと甲板船尾へ向かうと、貴日さん、常見さんをそこで発見。しばらくすると今度は村山もやって来た。やはりメンバーだ。皆ちりじりになっても集まってくる。が、河野さんと矢ヶ崎君の2人がなかなかやって来ない。どこにいるのかと辺りを見回すと、いた!船尾とは反対の船首で2人は寄り添って並んでいた。愛を語りあっているのだろうか、邪魔をしちゃいけないのでそっとしておく。

  

 そういえばずーっと船尾で千葉方面を見ていたので気付かなかったが、船首すなわち船が向かう先の神奈川方面には、昼間の雲もはれてオレンジ色の太陽が煌煌と、しかも富士山と河野さん、矢ヶ崎君がシルエットになっている。まさにサンセットクルーズだ。オレンジ色の憎いやつだ。

 

 太陽が沈めばまた明日が来る。ザ★カインズも明日に向かって頑張っていこう!取りあえずは11月15日のライブだ!

 「もう終わっているよ!」    ザ★カインズ一同談

 

  ザ★カインズ旅行手記 No.4


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