さて、その『銀河種子株式会社』の当時のパンフレットには黄色い紙にレモン色の文字でこうある。〈もう孤独なんてへっちゃら!あなたの愛情であなただけの花を育てましょう〉つまり老人が老後の寂しさを紛らわせるために植木や盆栽いじりをするのと同じ理屈なのだ。《宇宙ヒマワリ》は基本的にはなんらただの《火星ヒマワリ》と変わらないのだが、

ざっち=\―在駐宇宙時間の略――が延びるにつれてそのニーズも多様化し、《三年もの》《五年もの》といった特別な銘柄(通常では一年草であるヒマワリだが、ざっち≠ノ合わせ植えてから三年後や五年後に一回だけ花を咲かせるものがバイオテクノロジィにより造られている)も生まれて来るに至った。


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